【城砦の防人Liamの手記 第一章】をちょっと深堀り

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メモリースロットをちょっと深堀りしませんか?

今回のテーマは【城砦の防人Liamの手記 第一章】です。

なお、文字の色分けは、これまでと同様に以下のように使い分けていきます。

  • 『』で囲まれた単語
  • 「」で囲まれた単語
  • なんとなく重要そうな単語

城砦の防人Liamの手記 第一章

普段は日記など書かない俺だが、今日の出来事は忘れないうちに残しておきたいと思ったんだ。だからこの手帳に書き記す。

●月●日。今日も俺はいつものように、「城砦」の警備に当たっていた。「城砦」というのは、俺たち防人が集団で生活する、ガラクタの寄せ集めでできた拠点のことだ。現在では数十人の防人がここで暮らしている。なんでも100年以上も前の話、突如「汚れ」と呼ばれる災厄が大地を覆ったという。「汚れ」に蝕まれた人々は、石のように固まって死んでいったらしい。しかし、一部の防人は生き残った。例えば俺の先祖なんかは、身体の大部分を機械化していたために、死を免れたんだと聞いている。まあ、生身の人間でも生き残れたという噂もあるから、正確な理由は不明だが…。ともかく。その時生き残った防人たちが、この「城砦」を建てたそうだ。汚染された大地の中で生き残るためには、団結することが必要不可欠だったんだろうな。そんな「城砦」の警備担当は、剣技の腕を見込まれたものが就くことになっている。だから俺も、剣の腕にはかなりの自信があったんだ…この日までは。

その時、昼食をとっていた俺は、誰かの「敵襲だ!」と叫ぶ声を聞き、外へと飛び出した。見ると、俺たちより10倍はでかいハイエナのような巨大生物が、「城砦」に襲い掛かろうとしていた。「城砦」には防人が暮らすため、大量の食糧が備蓄されている。その匂いを嗅ぎつけてやってきたのだろうか。獣は飢えた様子で涎を垂らしながら、その眼は明らかに「城砦」を狙っていた。獣の足元には、警備担当の防人たちが立ち向かっていく姿が見えた。俺も急いで加勢しようとしたのだが…次の瞬間、その足を止めることとなる。先んじて獣に挑んだ者たちの大半が、一瞬にして薙ぎ払われたのだ。獣の動きは想像より機敏で、彼らは
避ける暇さえ与えられず吹き飛ばされた。運よく残った者たちも、喰われ、踏みつぶされ、なすすべもなく散っていく。その場にいた全員が恐怖で立ち尽くした。今までにも数度、巨大生物と対立したことはあったが、コイツは比べ物にならないほど強い。

獣が「城砦」に向け、巨大な前足を振りかぶる。このまま、俺たちは「城砦」ごと全滅する…。俺は思わず目をつぶったが、予想していた衝撃がやってくることはなかった。続く獣の咆哮に恐る恐る目を開ければ、なんと、獣が一歩後退していた。その右目には深い傷が刻まれている。気づけば、獣の前には見知らぬ男が刀を構えていた。あの男がやったのか?その男は防人のようだったが、「城砦」の者ではない。呆然とする俺たちをよそに、獣はその防人に狙いを定め、前足を振りかぶった。誰もがやられると思った刹那、彼は目にもとまらぬ速さでその攻撃をかわすと、獣の右前足を斬り上げた。一瞬バランスを崩す獣。しかし怯むことなく、今度は噛みつきにかかる。彼はその攻撃もひらりと避け、今度は左前足を斬り上げた。両前足を斬られた獣は、その場から動けず咆哮をあげる。彼は刀を振り上げると、手慣れた様子で獣の脳天に突き刺した。ズシンと音を立て、地に伏せる獣。防人たちから漏れた驚嘆の声を聞き、俺はハッとした。魅入っていたのだ。彼の華麗な身のこなしに。いったいどれほどの研鑽を積めば、この高みに到達できるというのだろう。まるで想像もつかないほど、彼の動きは鮮やかで、美しかった。見知らぬ防人は自らが倒した獣を注意深く観察すると、「コイツじゃない…」と呟き、踵を返す。

俺たちは急いで彼を呼び止めた。しかし、彼の足は止まらない。名乗ることすらなく、一人、荒野へと去って行ってしまった。…かくして「城砦」は、見知らぬ防人のおかげで危機を乗り越えた。彼はいったい何者で、何を探していたのだろうか。去り際に揺れていた、彼の長い髪。赤い紐でくくられた灰色の長髪が、今も俺の脳裏に焼きついている。

このスロットで「事実」として読み取れること

  • 防人の間で『死の汚染』は「汚れ」と呼ばれている
  • 汚れ」で生き残った防人たちが「城砦」を建てた
  • 城砦」の警備担当は剣技の腕を見込まれたものが就く
  • 城砦」にハイエナのような巨大生物が襲い掛かってきた
  • 赤い紐でくくられた灰色の長髪の防人が巨大生物を退治した

考察テーマの設定

  • 防人が「汚れ」で生き残った理由は?
  • 赤い紐でくくられた灰色の長髪の防人は何者か?

防人が「汚れ」で生き残った理由

防人が「汚れ」で生き残った理由ををもう少し深掘りしてみたい。防人は「汚れ」を “身体の大部分を機械化していたために、死を免れた” とある。メモリースロット【研究者Pedroの未知のウイルス研究記録】で「汚れ」の原因である『死のウイルス』が肺に悪影響をもたらすウイルスであると分かる。よって、『死のウイルス』の脅威から免れた防人は、感染臓器である肺が機械化していたのだろう。

また “生身の人間でも生き残れたという噂” については、ワクチンの効果だろう。 “ウイルス対抗手段としての『ワクチン』の可能性” という論文はパブリッシュされていただろうが、一般人へのアウトリーチ活動はしていなかったのではないか。そのためワクチンのことちゃんと理解せず、ワクチン接種を受けた人も一定数いると思われる。この場合、腕だけ機械のような、大部分が生身の防人でも生き残ることができるだろう。

 

赤い紐でくくられた灰色の長髪の防人は何者?

巨大生物を退治した赤い紐でくくられた灰色の長髪の防人は何者だろうか?『六機衆』の一人?メモリースロット【剣術師範Laminaの記憶】によると、『軍隊』の角人対策で生まれたのが『六機衆』である。 “剣の腕にはかなりの自信があった” Liamが魅入ってしまうほど、 “華麗な身のこなし” だったので、「ヤハタノカミ器官」による相乗効果があったのではないか?

また “手慣れた様子で獣の脳天に突き刺した” とあるので、巨大生物狩り専門の傭兵かもしれない。第四章にはイト食品グループにタコ狩り傭兵の防人が出てくる。この傭兵たちが灰色の長髪の防人の末裔だとしたら、代々受け継がれている技があるのかもしれない。

気になるのは「コイツじゃない…」と言うセリフである。明らかに何らかの特徴をもった巨大生物を探している様子なので、その巨大生物に恨み?を持っている防人の可能性もあるだろう。

Reference

  • Memory Slot【研究者Pedroの未知のウイルス研究記録】
  • Memory Slot【剣術師範Laminaの記憶】

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